【News】経済産業省、中国で衣料品のテストマーケティング開始

 経済産業省は2010年12月下旬から、日本企業が製造・販売する若年女性向け衣料や子供服、機能性衣料を対象に、中国・上海でテストマーケティング事業を始めた。日本の文化産業を海外にアピールする「クール・ジャパン」プロジェクトの一環として実施するもので、日本の21ブランド・企業が参画し、現地消費者向けの展示会やファッション雑誌と連携したネット販売など展開。効果的な商品の訴求方法などを検証し、日本のファッション関連企業の中国進出を後押しする考えだ。

 今回のテストマーケティングは、「tokyoeye:girls/kids/tech」と題して行うもので、対象の衣料品は、国際的に競争力があると見られる10~20代女性が日常で着こなすガールズファッション、デザイン・品質の高い子供服(kids)、発熱・保温などの素材を使用した機能性衣料(tech)。日本企業側はgirls分野で7ブランド、kids分野で8ブランド、tech分野で7社が参加している。

 経産省によると、中国では日系のファッション雑誌の売れ行きが良く、若年女性の間で日本のファッションの人気も高いという。だが、商品の売り上げ規模は小さいのが実情で、「日本企業が中国に上手く入っていけていない」(クール・ジャパン室)と判断。今回のテストマーケティングを行うことにした。

 実際の取り組みでは、リアル店舗やネットなどとのメディアミックスによるプロモーションに力を入れており、まずリアル店舗では日本ブランドを中心としたファッションビル「上海OPA准海店」でのオープニングキャンペーン(2010年12月27日から1月9日)を実施。上海のショッピングセンター「正大広場」では、ファッション雑誌との連動型セレクトショップ「mina collection shop」と協業するほか、商品の展示会、ファッションショーなども開催(1月6日~9日)している。

 一方、ネット販売についても、日本の女性ファッション雑誌の現地ライセンス版である「mina」「ViVi(xinwei)」と連携し中国語通販サイトを開設。また、郵便事業会社が運営する中国消費者向け仮想モール「JapaNavi」内にも子供服の「tokyoeyekids」コーナーを設け、現地顧客が商品を購入できるようにしている。

 テスト期間中のリアル店舗およびネット販売の利用者は約3万人、約1150万円の売り上げを見込む。

 このほか、現地消費者に対しても中国の大手ポータルサイト「sina」に特設ページを設け、テストマーケティングの取り組みを告知。商品購入者へのインタビュー調査や通販サイトへの流入分析、メディアへの露出度測定などを行った上で、今年3月をメドに事業の検証結果を公表する予定だ。

NO IMAGE

国内唯一の月刊専門誌 月刊ネット販売

「月刊ネット販売」は、インターネットを介した通信販売、いわゆる「ネット販売」を行うすべての事業者に向けた「インターネット時代のダイレクトマーケター」に贈る国内唯一の月刊専門誌です。ネット販売業界・市場の健全発展推進を編集ポリシーとし、ネット販売市場の最新ニュース、ネット販売実施企業の最新動向、キーマンへのインタビュー、ネット販売ビジネスの成功事例などを詳しくお伝え致します。

CTR IMG