YNAPのファッションEC 5年間で売上は2倍に、品ぞろえで他社と差別化図る

欧米や日本などで衣料品のネット販売を展開するユークス・ネッタポルテグループ(YNAP)。同社は2004年にグローバルファッション通販サイト「YOOX(ユークス)」の日本語版を立ち上げ、昨年で日本展開15周年を迎えた。5年前に比べて売り上げ規模が2倍に拡大。独自の商品ラインアップで国内の同業他社と差別化を図り、日本でも存在感を示しつつある。

「『ユークス』は選りすぐりの人気インターナショナルブランドやハイエンドなコンテンポラリーブランドのセレクションを豊富に取りそろえることにより、他社と一線を画している」。

YNAPのプレジデント(ファッション・ディビジョン)として「ユークス」や「アウトネット」といった通販サイトを統括するパオロ・マッシオ氏(=写真)は、「ユークス」の強みについてこう語る。日本のEC事業者が国内ブランドの商品ラインアップを充実させているのに対して、異なるアプローチで商機を得ているようだ。

「ユークス」は100カ国以上に展開しているが、同社では日本をトップ10に入る注力市場と位置付けており、「高速インターネット回線やモバイル普及率の高さも市場の成長に拍車をかけている」(マッシオ氏)と分析する。

日本での購買の傾向として「イタリアのラグジュアリーブランドやコンテンポラリーブランドの人気が高い」(同)とする。最も売れている商品カテゴリーは靴、コート、ジャケット。日本の顧客は平均注文額が高く、ロイヤリティや購入率が高いのも特徴として挙げている。

日本での業績は非公表だが、「強力な投資を回収できるほど好調」(同)だという。日本は主要マーケットの一つと見なしており、「日本上陸10周年時と比べて5年で売り上げは2倍になった」(同)。

「ユークス」は今年、日本で16周年、グローバルとしては20周年になる。そのため数々の独自コレクションを投入していく予定だ。

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