消費者庁、リプサに景表法と食表法で行政措置――管理体制強化へ

消費者庁は今年5月、健康食品通販 を行うリプサに対し、景品表示法に基 づく措置命令(優良誤認)を下した。 同時に、食品表示法に基づく指示も行 った。行っていた表示が、2法に重畳 して違反するものであったため。同社 は、「措置命令を厳粛に受け止め、再 発防止に向け管理体制を強化する」と のお詫びをコーポレートサイトに掲載 している。

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機能成分、表示通り含有せず

  消費者庁と公正取引委員会事務総局九州事務所の調査を踏まえ処分を行った。

 「サプリメント専門店リプサ」という通販サイトを運営。「ラクトフェリン濃縮物加工食品」という商品について、「主成分値2カプセルあたり目安:ラクトフェリン濃縮物300mg」と表示。あたかも商品2カプセル
(500mg)あたりのラクトフェリン含有量が300mgであるかのように表示していた。実際は、これを下回るものが含まれていた。「PayPayモール」やアマゾンの販売ページでも同様の表示を行っていた。表示期間は、4月23日。消費者庁は、消費者への景表法違反の事実の周知徹底や、再発防止策の策定と役員・従業員への周知などを命じた。


リプサの販売サイト
同時処分を受けたリプサの「ラクトフェリン濃縮物加工食品」

栄養成分量や熱量もデタラメ

 また、容器包装の表示について、食品法事法第4条第1項に規定する食品表示基準に違反する表示を行っていたとして、消費者庁は、食品表示法に基づく指示を行った。

 容器包装において、栄養成分の量や熱量を表示する際、使用された原材料から得られた値(もしくは推定値)を表示せず、異なる数値を表示していた。表示期間は、遅くとも昨年9月下旬から10月下旬にかけて。販売数量は、少なくとも2001袋。

 消費者庁は、表示の点検や是正、原因究明、品質表示のチェック体制強化、これら取り組みに関する消費者庁への報告などを指示した。

 民間信用調査機関の調べによると、21年1月期の売上高は、前年比8.6%増の5億4300万円。

 食品表示基準第4条第1項は、アレルゲンや保存方法、消費期限、原材料、添加物、栄養成分の量や熱量等の表示義務を課す。

サプリのカロリー表示の違反指摘

 リプサに対する景表法、食表法での処分は、ずさんな表示であったため当然の措置といえる。ただ、少し気になるのは、おそらく〝機能〟を期待して当該商品を購入する消費者のどれほどが、その商品のカロリーなどを気にしているだろうかという点だ。

 間違いではあったのだが、一般食品などと異なり、多くの消費者は、サプリメント摂取で得られるカロリーは気にしていないとみられる。執拗な処分を行った背景は不明だが、健食は、景表法だけでなく、食表法、薬機法、健康増進法、通販であれば特定商取引法など、関連法規の重畳的な規制を受ける。過去には、特商法と景表法などで同時処分を受けたケースもある。販売にあたっては、それぞれの法律の目的に従い、同時処分を受ける可能性があることも認識しておく必要があるだろう。

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