母の日EC商戦、「外出向け」がトレンドに――行動制限の緩和受けて変化

 ECでも一大商戦の1つである「母の日商戦」が始まった。今年は新型コロナウイルス対策の行動制限やマスク着用ルールが緩和されたこともあり、外出に関連した商品などが母の日ギフトとして好調なようだ。仮想モール各社の母の日商戦の出足とトレンドを見ていく。

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楽天は日焼け止めやレディース帽子、日傘などを提案

 「楽天市場」を運営する楽天グループは4月3日から、2023年の母の日向けギフトの特集ページを公開した。同社では特集ページの公開に先立ち、今年の母の日向けギフトトレンド情報と、関連商品を紹介する特設ページも開設。今年は新型コロナウイルス対策の行動制限やマスク着用ルールが緩和されたこともあり、外出に関連した商品の売れ行きが好調なことから、日焼け止めやレディース帽子、日傘などを提案している。

外出に関連した商品の売れ行きが好調な今年の母の日商戦(画像は楽天市場の母の日特集ページ)

 母の日商戦は楽天市場において流通規模の大きい季節イベントの1つで、約490万点が母の日向けギフトとして販売されている。コロナ禍を受け、ネットでギフト商品を購入するユーザーが増加したことを受け、流通額は2019年から2022年で約2倍に拡大。花やスイーツ、ファッション小物などの定番ギフトが売れ筋だが、花の種類は年々豊富になり、近年はアジサイやバラなどが人気という。

 今年の母の日トレンドとして、同社では「外向き需要」と「脱マンネリ」の2つを予測。「外向き需要」については、コロナ禍が収束傾向にあることから、アイシャドウ(今年1~2月における母の日キーワードを含む商品の流通額は前年同期比570%増)、チーク(同110%増)、レディース帽子(同90%増)、日傘(同60%増)など、「脱マスク」を意識した商品や、外出関連商品が売れている。特に、機能性重視した帽子は、日傘が不要となり、アウトドアに便利なことから、人気が高まっているという。

 「脱マンネリ」については、「毎年同じような商品を贈ってしまう」「贈りたい商品が思いつかない」といった悩みを抱える消費者が多いことを受け、定番である「花」と、プレゼント対象の母親の趣味し好に合ったギフトを組み合わせた「脱マンネリギフト」に注目が集まると予測した。すでに、母の日ギフトに関する楽天市場内検索ランキングでは、花とスイーツを組み合わせた語句が5位にランクインしている。

 こうしたトレンド受けて同社では、関連商品を紹介する特設ページ「お出かけをより楽しく!気持ち晴れる母の日ギフト2023」において、外出関連のギフトや、花とスイーツ、または紅茶のセット、花束に見立てたソープフラワーやタオルなど、セット販売ギフトを紹介している。

ヤフーショッピングは「花とスイーツ」などセット商品が好調

 「ヤフーショッピング」を運営するヤフーでは3月7日から、母の日ギフトの特集ページ「母の日特集2023」を公開した。同ページは5月21日まで公開予定。

 特集ページでは「3999円以下」や「4000円以上」といった予算別、「フラワーギフト」や「スイーツ・グルメ」といった商材別など様々な切り口で商品を検索できるもの。また、注文数が多く、さらにユーザー評価点数が高いストアを厳選した「高評価ストア」のページを展開したり、「週末は母の日ギフトを選ぼう」というコンセプトのもと、毎週金曜日利用開始となる、10%OFFクーポンを配布している。

 ヤフーによると出足の状況については「母の日特集全体では『お花とスイーツ』『お花とグルメ』など、セット商品が好調」という。母の日の定番となるフラワーギフトについては「種類別では定番のカーネーションが定番ながら一番人気。花のスタイル別では長く楽しめる『鉢植え』が一番人気」。ファッション・ライフスタイルのカテゴリでは「晴雨兼用日傘や5000円前後のアンサンブル(トップス)、バッグ・リュックなど日常使いでスタイルアップできるアイテムを贈りたいと考える方が多い」とする。また、シャワーヘッドやマッサージ器などの健康・美容家電などの売れ行きも伸びているようだ。

 予算別では4000円以上のギフトを購入する人の割合が多く、他の季節のギフトと比較して高い傾向にあるという。

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