冷凍パンの製造・販売を手掛けるスタイルブレッドが海外進出を進めている。
2023年7月にシンガポールで現地法人「STYLE BREAD ASIA PACIFIC PTE.LTD」を設立し、ホテルやレストランなどBtoB向けに販路を拡大。23年12月にはシンガポールのミシュラン星付きレストランへの提供を開始するなど事業を本格化しており、24~26年までの3年間で合計300万シンガポールドル(日本円で約3億円)の売上を見込むとしている。
海外進出の背景として同社では「日本同様にシンガポールもホテルやレストラン業界で人手不足が顕著であること、また日本の食材や商品の売上が伸長していることを考慮し、海外展開の1ヶ国目としてシンガポールを選定した」という。
日本貿易振興機構によると日本からシンガポール向けの農林水産物・食品輸出額は堅調に増加しており、22年は前年比37・3%増の562億円と伸長している。
同社によると、シンガポールで冷凍パンは「低品質」というイメージが根付いている中で、厳選素材・伝統製法による高品質なプティパンを提案し、新しいパン文化の創出にも取り組むとしている。
23年8月期の売上高は前年比約40%増の31億円。売り上げの約8割はBtoB(業務用)で、国内では全国約3500社以上のホテル、レストランで採用されているほか、保育施設や病院など全国800以上の施設で導入されている。
BtoCでは冷凍パンブランドのPan&(パンド)を展開。日本サブスクリプションビジネス振興会が主催する「日本サブスクリプションビジネス大賞2023」で特別賞を受賞するなど、定期便を中心に会員数を拡大している。