アダストリア、ヨーカ堂との協業ブランド始動――「ゾゾタウン」にも出店

 大手アパレルのアダストリアとイトーヨーカ堂は4月下旬、協業するライフスタイルブランド「FOUNDGOOD(ファウンドグッド)」が本格展開を開始した。

 同ブランドは、イトーヨーカ堂が撤退した衣料品の平場を継承し、アダストリアが商品の企画生産、MD計画、売り場の空間演出、SNSを使ったプロモーション、売り場スタッフへの接客研修など、幅広い領域でプロデュースしている。

 「ファウンドグッド」は30~40代のファミリー層を主なターゲットとし、ベーシックで機能的な実用性と、日々の暮らしを楽しくするデザイン性をバランスよく取り入れたアパレルと服飾雑貨、生活雑貨をライアンアップ。アダストリアによると、「季節に応じた品ぞろえを重視し、2週間に1度は新商品を投入する」(小林千晃執行役員ビジネスプロデュース本部長)という。

 商品の構成比はウィメンズが45%、メンズ25%、キッズ5%、服飾雑貨20%、生活雑貨5%で、展開店舗によって調整する。

30 ~ 40 代のファミリー層の獲得に向けてアパレルアイテムや服飾雑貨、生活雑貨、ト ラベルアイテムまで幅広く展開する

 2月15日に「イトーヨーカドー木場店」に先行導入した売り場を皮切りに、4月下旬で47店舗に拡大。7月までに64店舗に広げる計画だ。

 イトーヨーカ堂では、「食を中心とした強いイトーヨーカドーを目指すのに30~40代の獲得が不可欠で、食との買い回りにも期待している」(梅津尚宏執行役員専門店事業部長)とし、現状では30~40代の購入者が増えているほか、食カテゴリーとの買い回りによるLTV向上にも寄与しているようだ。

 4月10日には、消費者への認知拡大や顧客接点を強化する目的でファッション通販サイト「ゾゾタウン」に出店した。イトーヨーカ堂が近くにない消費者や、「ファウンドグッド」の展開がないイトーヨーカ堂を利用している顧客にも同ブランドの商品を試してもらいやすくする。

 また、すでに店舗で購入経験のある顧客がオンラインでも購入できる環境を整え、ブランドとの接点を増やすことでファン化につなげる。イトーヨーカ堂が自主衣料売り場で取り扱うアイテムを「ゾゾタウン」に出店するのは初めてだ。「ゾゾタウン」の売り場でも実店舗と同様にメンズとウィメンズ、キッズの衣料品に加え、雑貨も展開する。

 ゾゾ出店から約1週間時点での状況としては、購入者全体に占める30~40代の割合が71.3%と高いほか、イトーヨーカドーの店舗がない西日本エリアのユーザーも獲得しているという。

 現時点でアダストリアの自社通販サイト「ドットエスティ」で「ファウンドグッド」の取り扱いはないが、自社ECは外部ブランドを誘致するオープン化戦略を推進しており、将来的には同ブランドを販売する可能性もあるようだ。

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