LINEヤフーが展開するギフト品販売サービス「LINEギフト」の2024年3月期における流通総額は、前期比29%増となったことが分かった。年間利用者数は1900万人(購入者と受取者の合計)で、「LINE」利用者9700万人のうち、約5分の1が利用しているという。
同サービスは2015年4月に開始、コロナ禍で利用者数が急伸した。電子チケットや商品引換券などの「eギフト」と通常のECに近い「配送ギフト」があるが、近年は配送ギフトが好調。20年4月期の配送ギフト流通額シェアは17%だったが、24年3月期は39%となっている。商品ラインアップ拡充や、ユーザーの満足度向上が要因という。配送ギフトの伸びに伴い、出店ショップ数は約1500。商品数は約40万となった。
同社によれば、他サイトとの比較検討・離脱が起きにくいため「即決購入が多い」、通常の買い物とは異なる導線で販路の開拓につながることから「自社EC事業とのカニバリゼーションが起きない」、ポジディブな体験が伴うことからブランドイメージ向上につながり「ギフトを起点とした顧客接点創出」という3点が通常のECとは異なる特徴だ。
今後は商品ラインアップ拡充やパーソナライズ機能開発などに注力。もらった人が好きな色や香りを選べる商品の拡充や、「ほしいものリスト」を分析することで「こんなユーザーはこの商品が好き」とAIが類推する機能搭載などを計画。今後5年間で毎年30%以上の流通額増を見込むほか、購買者数・利用回数・単価の拡大を図る。「早期に年間流通額4桁億円を目指したい」(嘉戸彩乃執行役員ソーシャルコマース統括本部長)とした。