大丸松坂屋百貨店の「アナザーアドレス」、横浜市瀬谷区に倉庫移設 修繕やスタジオ一体型に

 大丸松坂屋百貨店は、ファッションサブスクサービス「アナザーアドレス」のインフラを強化する。その一環として、昨年9月に横浜市瀬谷区に倉庫「アナザーアドレス ロジステック センター」を移設した。以前の施設からスペースを約2倍に拡張し、修繕や撮影スタジオの機能を一体化した。

 「アナザーアドレス」は2021年にローンチしたファッションサブスク。百貨店ブランドに加えて海外のハイブランドや日本のデザイナーズブランドを幅広く取り扱っている。昨年からは新規客層へのアプローチを図り、登録会員数が21万人を突破するなど順調にサービスを拡大している。

 同社では、事業の成長に伴って保管スペースが手狭になっていた。また、倉庫とファッショレンタルに不可欠なクリーニング工場の距離が離れていたことにより、無駄なコストとリードタイムが発生していたという課題をふまえ、倉庫移設を行った。

 新物流倉庫の面積は約3500平方㍍。洋服の保管量は約7万点という。

 これまで倉庫は物流会社に全面委託していた。洋服についたにおいやシミなどを判別し、レンタル可否のジャッジを委託業者に委ねてきたが、アナザーアドレス側でも確認が必要になるという2重負荷が発生していた。倉庫移管を機に、検品と修繕の2つの機能を内製化する。

 また、クリーニング品質の最適化を図りながらコスト最適することを目的に、クリーニング工場の設備を取得した。

 これまでは3社のクリーニング会社と契約していたが、店舗を営むクリーニング会社は冬物の衣替えの時期に店舗業務がひっ迫してしまっていた。アナザーアドレスの検品品質を維持するため、3社のうち1社にクリーニング工場を委託し、その1社が行っていた店舗事業は他の2社に譲渡した。

 倉庫移管とクリーニング工場の専門化により、横持ちコストとリードタイムの大幅な短縮に成功。これまで1周8時間で週2~3便行っていた洋服の回収作業は、1周約30分で1日に2便回収できるようになった。

 新たなクリーニング専門工場の施設面積は約650平方㍍という。

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