スマートフォンEC支援の今

【2011年12月号】

通販の利用度高い日本のユーザー

 通販におけるスマートフォンの重要性が増している。Googleの「世界のスマートフォン利用に関する大規模調査サイト」によると、日本での普及率は6%と低いものの、スマホユーザーのうち45% が「スマートフォンで商品を購入したことがある」と答えており、これはアメリカ、イギリス、ドイツに比べ約 2 倍だという。

 フィーチャーフォンにはまだまだ普及率は及ばないものの、画面が大きく、情報を伝えやすいスマホは、フィーチャーフォンよりも「買い物をする媒体」として期待できるのは言うまでもない。iPhoneだけではなく、昨年からはAndroid搭載端末も急増。ネット販売を積極的に活用する、20~30代の普及率は高まっているとみられ、通販事業者にとっては追い風といえるだろう。

 スマホ活用は当たり前に

 こうした中で、通販事業者のスマホへの対応は当たり前になってきている。11月にサイトを刷新した、楽器店大手の石橋楽器店では「(通販システムを選ぶ際は)スマホへの対応が大前提だった」(EC事業統括課の滝沢壮一郎次長)と話す。

 すでに成果を挙げた事業者も出てきている。

 ニッセンの前期(2010年12月期)のスマートフォン経由の売上高は約2億円とまだまだ小さいものの、11年12月期の売上高はモバイル売上高のうち10%、12年12月期は同じく 30%と急速な伸びを予測している。

 ニッセンの佐村信哉社長は「従来の携帯電話経由の売り上げがスマートフォン経由の売り上げに置き換わっていけば、平均単価も上がり、売上高が増え収益性も高まるだろう」と話す。

 前期末の段階で、電話からの受注単価を10とすれば、パソコン経由は8で携帯電話経由は6。これに対し、スマホ経由は「パソコンと携帯電話の中間となる7くらい」(佐村社長)だという。受注単価が低迷傾向にある中、スマホの普及が単価を押し上げる起爆剤となりそうだ。

 また、スポーツ用品大手のゴールドウインでは、通販売上高に占めるスマートフォン向け通販サイトの売上高が約6%まで成長。最近まで比率は約5%で推移していたが「8月からシェアが伸びており、直近では6%に達した」(ダイレクトマーケティンググループ)という。
 

 これに対し、フィーチャーフォン経由の売上高が占める比率は約2%。同社の場合、顧客層の中心が30~40代男性ということもあり、フィーチャーフォンで買い物をする消費者はあまり多くなく、集客にもあまり力を入れてこなかったことが低い売り上げの原因だ。そのため、主力顧客層の利用度が高いとみられるスマートフォンには「早めの対応をする必要があると考えていた」(同)という。

 アプリを活用する企業も増えている。ユニクロでは、商品特徴や物づくりのこだわり情報を掲載したスマートフォン向けのカタログアプリを開発。また、ユニクロの商品を新作・既存を問わず1点以上着用し、撮影した写真を消費者が投稿・閲覧することができる会員制のファッションコミュニティーツール「ユニクロルック」アプリも開発した。

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