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カード各社の通販ポータル

【2010年8月号】ネットビジネスがカード会社の新たな収益源に

 クレジットカード業界を取り巻く事業環境が厳しさを増している。経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、2009年(1~12月)の取扱高は約34兆円で、前年から約3.3%減となった。マイナス成長となったのは、調査開始以降初めてだ。

 その最大の要因は消費者金融業務の大幅減収だ。2006年12月から段階的に施行されてきた改正貸金業法により、グレーゾーン金利が撤廃されるなど、カード会社のキャッシュング(現金借り入れ)事業は縮小の一途をたどってきた。ただ、公共料金のカード支払いなどが浸透したこともあり、取扱高自体は近年も増加してきた。ところが、深刻な消費不況の影響を受けた09年は、販売信用業務もわずかながらだが減収にとどまったのだ。今年2月以降は持ち直しの傾向を見せているものの、個人消費はまだ力強さを欠いているのが実情だ。

 さらには、今年6月に改正貸金業法が完全施行され、借り入れ総額を年収の3分の1までに制限する総量規制を導入された。キャッシングサービスがさらに縮小していくのは確実なこともあり、カード会社にとっては、利用者のカード利用促進による取扱高の増加が急務となっている。

 そんな中で、カード会社が注目しているのは、拡大基調が続いているネット販売市場だ。経産省の平成21年消費者向け電子商取引実態調査によると、

 消費者の決済方法別構成比はクレジットカードがトップで、約44%を占めている。少子化による内需縮小が避けられない中で、ネット販売でのカード利用促進と、収益の確保が大きな課題となっている。

 カード会社では自社の会員を対象に、加盟する各社の通販サイトに誘導するための仮想モールを運営している。各社ともビジネスモデルはほぼ共通しており、出店クライアントはまず、初期費用と運営費をカード会社に支払う。その上で、会員がカードを利用して買い物をした際にアフィリエイトが発生するわけだが、フィーは企業によって異なる。半分をカード会社が収入として受け取り、残りの半分をポイントの原資とするケースが多いようだ。

 各社はサイト上で高い倍率でのポイント還元をアピールしているが、高いポイントを付与している企業は、それだけ高いフィーをカード会社に支払っているということ。さらには、買い物をする際にもポイントが発生するため、この分も会員には加算される。

 こうしたポイントを多く付与するサービスは各社とも古くから手がけてきたが、単独のモールという形ではクレディセゾンの「永久不滅ドットコム」が先駆け的存在となる。各社も続いて同様のモールを開始し、現在では多くのカード会社が仮想モールを運営している。

(続きは「月刊ネット販売」2010年8月号で)  ご購読はこちらからどうぞ。

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