【EC動向】オイシックスの高島社長が語る・求めるマーケティング担当者像とは?

「マーケティング担当者はエラそうではない人がいい。皆が気を許して話や相談ができ、社内の情報を集めやすく、社内を”一丸”にして動かせる社内コミュニケーション能力を持った人でなければ」―-。

9月17日に都内で開催された「アドテック東京2014」のセッション「次世代型マーケティング組織の構築」に参加した食品EC大手のオイシックスの高島宏平社長は”求めるマーケティング担当者像”についてこう語った。

高島社長曰く、「会社をやっているとどうしても”売りたい気持ち”でいっぱいになる。しかしそれが出すぎるとお客様の”買いたい気持ち”をなくしてしまう。我々の想いをお客様の想いにどうシンクロさせるかが重要」で自身が考えるマーケティングとは、「企業の”売りたい気持ち”をいかにうまく消費者の”買いたい気持ち”に翻訳していくこと」なのだという。

そのためには個別の部署単位でのマーケティングではなく、社内が一丸となって行う”一丸マーケティング”がこれからは必要になってくると説く。

「いかに社内を一丸にしていくかがこれからのマーケティングには非常に重要だ。当社もアルバイトを含め、600人規模の会社だがそれでも互いの想いが多少、ずれてきていると感じる。”一丸”になるためには”摺合せ”が必要だ」とし、その重要な「社内の摺合せ」を担うべきがマーケ担当者なのだとする。

「これからのマーケティング担当者の仕事は自分自身が、格好いいキャッチコピーを考えたり、劇的に売り上げが上がる広告手法を見つけること以上に、お客様の”買いたい気持ち”を作り出すために、社内の人間をどう動かせば効果的な施策ができるか。また、そのために社内を動かせる能力が必要で”社内エバンジェリスト”のような仕事になっていくだろう」という。

そのためにマーケ担当者には「つい色々と相談したくなるほどコミュニケーション能力が高く、それにより良い悪い両方ともに社内の情報が入ってきやすい。そして求心力があり、社内をまとめることができる」要素が必要という。「草の根であり触媒者であり、仲介者、エバンジェリストであるべきで、そのため、担当者はエラそうじゃない人の方がいい(笑)」のだという。

一方で今後、マーケ担当者は”しんどい時代”だとし、「がんばって仕事をしても、インターナルな仕事のため、表面的には成果が見えにくい。ヒット商品がそれで生まれてもそれは商品担当者の手柄になるわけで」とする。「マーケ担当者はすごく評価されにくい。(マーケ担当者の)皆様、仕事が嫌になったら当社まで連絡ください(笑)」とオイシックスでは優秀なマーケ担当者にはきちんと評価するとアピールし会場を沸かせた。

なお、オイシックスでは今秋から元ドクターシーラボのEC事業の責任者で現在は起業している西井敏恭氏をマーケティングのトップであるCMO(最高マーケティング責任者)に招き、同氏が率いる「マーケティング室」を新設し、マーケティング戦略を強化しているようだ。

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