スタートトゥデイは運営するファッションコーディネートアプリ「WEAR(ウェア)」内で展開している一般ユーザーとファッションブランドの両者をつなげる取り組みを強化する。ユーザーがブランドとスポンサーシップ契約を結ぶことができるというもので、3月に1回目を実施したところ、参加ブランドとユーザーの双方から好評だったことから継続して定期的に行っていくことにしたという。
月額5万円分のゾゾポイント付与
強化していく取り組みは「BRANDDRAFT(ブランドドラフト)」。内容としては、ファッションブランド側が自社ブランドのコーディネートを「WEAR」に投稿したユーザーの中から「ブランド公認ユーザー」を選出する。選考は参加ブランドが独自の基準で行う。スポンサー契約を結んだ公認ユーザーには半年間の契約期間中、当該ブランドの商品を購入できる5万円分相当のゾゾポイントがブランドの負担で提供される。
さらに「WEAR」内でも“ブランド公認ユーザー”であることを示す「公認マーク」が表示される。公認ユーザーは「WEAR」やブランドのオフィシャルSNSなどにコーディネートを紹介することが求められる。
「BRAND DRAFT」ではメンズ・レディース・キッズの3つのカテゴリーからそれぞれ選出するが、応募できるのは「WEAR」のファッションリーダーとして認定されている“ウェアリスタ”や、ショップスタッフなどを除いた一般のユーザーが対象となる。
一般ユーザーの中にも「WEAR」内に多くのフォロワーを抱えるユーザーも出てきている。「BRAND DRAFT」ではそうしたユーザーを“ブランド公認ユーザー”として認定し、コーディネート投稿が活性化されることで、ブランド側のブランディング強化につながることも期待されているようだ。
「WEAR」経由売り上げが
前月比で172%の伸びに
1回目の「BRAND DRAFT」では「アーバンリサーチ」や「ローリーズファーム」「キーン」など14ブランドが参加。3月1~10日の期間に募集を受け付けた。
その結果、期間中に5000人を超えるユーザーが1万5343のコーディネートをエントリーした。そのうち38人(メンズ10人・レディース22人・キッズ6人)のユーザーが“ブランド公ユーザー”に選出された。
最多となる4ブランドからの指名を獲得したレディース部門に応募のmikiさんは、最終的に3ブランドと契約を交わしている。
mikiさんは「出産を機に仕事を辞めてから、買うことができなかったブランドのお洋服を『BRAND DRAFT』のおかげでまた着ることができました」とコメント。
mikiさんと契約したブランドの1つであるビューティー&ユース ユナイテドアローズも「ブランドMIXでの着こなしがうまく、ブランド側としても参考になります」としている。
公認ユーザーに選ばれると、ブランド側とスポンサー契約を結び、4月1日から
活動を開始。契約期間は4~9月の半年間となっている。公認ユーザーは付与されたゾゾポイントを使って頻繁に自身のコーディネートを紹介し、露出の頻度を増やしていった。
結果的に公認ユーザー合計のフォロワー数は3月時点の約4万8000人から、4月には約10万人と2倍以上に増加。公認ユーザーの総「いいね」数は3月の約17万に比べて、4月は約20万になった。さらには公認ユーザー1人あたりで換算した4月時点の「WEAR」経由の売り上げは、前月比で172%増と大幅な伸びとなったようだ。
2回目の実施では
16ブランドが参加
こうした結果を踏まえて、スタートトゥデイでは「BRAND DRAFT」を毎月行っていくことを決定した。
2回目は「アースミュージック&エコロジー」や「アメリカンラグシー」「ナノ・ユニバース」「ライトオン」など16ブランドが参加。4月28日~5月9日の期間で募集を行い、5月26日には特設ページを通じて結果を発表するという。スポンサー契約は6~11月の半年間となる。
著名人らが認定されている「ウェアリスタ」や、ショップスタッフではなく、一般のユーザーのコーディネートに着目した今回の取り組みだが、ブランドからすると少ないコストでブランディングにつながり、ファッション好きのユーザーからするとブランドの負担で様々なコーデができるため、両者にとってメリットがあるようだ。