押さえておきたい「LINE」のEC活用法 第3回 【LINE@】(ラインアット)

当コーナーでは、国内に7000 万人の月間アクティブユーザーを抱える「LINE」の活用法について、LINEの担当者に説明してもらいます。今回は「LINE@」です。LINE活用と言うと、「莫大な予算が掛かるのでは」などの声も一部で聞かれますが、LINE@であれば安価に顧客接点を構築することができるようです。「LINE公式アカウント」とは費用面だけでなく目的も異なっており、API 版を活用すればパーソナライズした配信など様々なコミュニケーションも可能になるとのことで、ポイントを知っておきたいところです。LINE@の特徴や運用方法などについてLINE Business Partners 事業開発部の岡崎想氏に解説してもらいます。

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プランや料金はどうなっているの?

LINE Business Partners 事業開発室 岡崎 想 氏

そもそもLINE@はビジネスアカウントとして、中小規模の事業者などの利用を想定しており、「LINE」を通じてコミュニケーションできる機能を備えています。友だちになったユーザーに対して一斉にメッセージを送信できたり、1対1でメッセージのやり取りをすることも可能です。
LINE@は大きく「一般アカウント」と「認証済みアカウント」に分かれます。当社の審査を経ずに、個人であれ企業であれ誰でも開設できるのが一般アカウントです。一方、店舗を運営する事業者やEC事業者などは、当社の審査を通過することで認証済みアカウントとして利用できます。認証済みアカウントは有料プランの決済手段が拡充されたり、「LINE」内のキーワード検索に露出したりといったことが可能になります。2017年9月時点で認証済みアカウントは29 万以上にのぼっています。

LINE@の審査については10月をメドに手続き全般を見直して、審査基準を緩和します。それにより現状で5~10営業日かかる審査期間が、短縮される可能性もあります。

LINE@は3つのプランを用意しており、利用料無料の「フリー」、月額税抜5000 円の「ベーシック」、同2万円の「プロ」があります。これに加えて3万円の「プロ(API)」もあります。

LINE@のプランごとの料金や機能など。 EC ではリッチメッセージを使えるベーシ ックから始めるのがお勧めだとか

プランによって何が違うの?

プランごとに「友だち数」と「メッセージ配信数」の上限を設けており、フリーはメッセージを月に1000 通まで配信できます。この場合、「友だち数」×「吹き出し数」になるため、500 人の友だちであれば月に2通を配信できることになります。次にベーシックは有効友だち数が5000人までで、メッセージ配信数は無制限です。そしてプロは有効友だち数が10万人までで、こちらもメッセージ数は無制限に配信できます。

例えばベーシックプランで友だち数が5000人を超えてしまうと配信できなくなります。そのため友だち数が上限に近づくと、プランをプロに変えてもらうことになり、プランの切り替えは管理画面を通じて行うことができます。
それ以上の友だち数になると公式アカウントに移行していただくご提案をします。

プランによって使える機能も異なります。例えばトーク画面への投稿にリンク付きのバナー画像などを使える「リッチメッセージ」という機能はベーシックかプロであれば使えます。あるいは、友だちのみなし属性(男性や女性など)を表示してセグメント配信ができる機能(ターゲティングメッセージ機能)はプロプランのみ利用できます。
ただ、10月をメドに「有効友だち数」のカウントの仕方を変更して、「ターゲットリーチ数」という指標を導入にします。ターゲットリーチ数は獲得した友だちがどのようなLINE公式アカウント、LINE@を登録しているか、どのようなスタンプを購入しているかなどの情報をもとにみなし属性として把握できるユーザー数を算出しますので、仮にこれまで5500人の友だちがいたためにプロプランだったケースであれば、場合によってはターゲットリーチ数で算出すると4000人程度の友だち数になり、ベーシックプランなどに変更できる可能性も出てきます。

10 月上旬に予 定しているアッ プデートでは、 ベーシックとプ ロのプラン向け にリッチメニ ューを実装す る。訴求したい ウェブページの URL などを遷 移先として表示 可能に

どのプランから始めればいいの?

LINE@を始めるにあたって、どのプランから運用を行うかですが、飲食店であればとりあえず無料のフリーから始めるというのでもいいと思いますが、ECの場合はベーシックをお勧めします。というのもリッチメッセージを使えるからです。専用のコンテンツを制作してキャンペーンを訴求し、EC サイトに遷移させるといった導線が作れるので、この機能は是非活用してもらいたいです。リッチメッセージ経由のクリック率は通常のメッセージに比べて1.2 ~2倍になるという数値もあります。
LINE@を運用する上で、リッチメッセージなどで使うクリエイティブや、配信のタイミングというのが重要になります。

クリエイティブで言いますと、食品ではしずる感を演出したり、ファッションではトレンドや売れ筋を発信するなどの訴求方法になるでしょう。また、メッセージを配信すると、1時間で全体の半数程度にリーチできますので、情報伝達の即時性は高くなります。タイムリーな訴求ができるという認識の上で、配信してもらえればと思います。
ベーシックの上のプロプランであれば、友だちのみなし属性を表示するため、当該事業者の既存顧客の属性とLINE@の友だちの属性との間で相違があることもあり、そうした状況を把握してLINE@用に企画を考える材料になります。さらにププランではみなし属性に対してセグメント配信できるターゲティングメッセージ機能も使えます。ただ、男女に分けて配信する際には企画やクリエイティブを2つ作成する必要があり、その手間はかかります。

今後どんな機能が使えるようになるの?

LINE@ではアップデートを重ねて、多くの機能が使
えるようになってきています。
10月に実施予定のアップデートでは、トークルームの下部分に固定表示されるリッチメニューという機能を実装します。メニュー欄に訴求したいウェブページのURLなどを遷移先として設定できます。動画や音声メッセージを送信することも可能になります。これらはベーシックとプロのプランに実装予定です。
このほかにプロプラン向けに「リッチビデオメッセージ」という機能を実装します。これはユーザーがトークルームを閲覧すると、動画が自動的に再生されます。再生後には「くわしくはこちら」等というアクションボタンが表示されて、クリックすると任意のURLに遷移するという仕組みです。動画コンテンツを持っている企業であれば、非常に訴求効果が高く、EC サイトへの送客にもつながるので、是非活用してもらいたいです。
しかし、公式アカウントでよく使われているスポンサードスタンプなどはLINE@で利用することはできません。というのも、そもそも公式アカウントにおける主なミッションが“新規獲得”や“ブランディング”で、一方のLINE@は“リピート対策”という違いがあります。公式アカウントはCMなどと同じで不特定多数にマスでリーチを図って、多くの新規を獲得したり、ブランディングにつなげるニーズに応えているようです。それに対してLINE@はメルマガやチラシのようなイメージです。既存のお客さんに対して予算を抑えて情報を発信するためのツールになります。つまり役割が大きく異なります。
EC であれば、LINE@はブランディングという用途ではなく、売り上げアップの手段となります。一般的にメルマガ経由の売り上げが減少している中で、それに代わるものとしてLINE@をご利用いただくケースが増えています。
メルマガやサンクスページ、同梱チラシ、請求書などにLINE@を告知して、顧客にアカウントをフォローしてもらうところから始まるわけですが、ここでもメールアドレスの登録などに比べて、簡単に友だち登録を行えます。友だちに対しては、お得で魅力的な情報を配信するなどシンプルなコミュニケーションで良いと思います。そしてECサイトやLPに誘導していただくという流れになります。

10 月上旬のアップデートにより、プロプランであればリッチビデオメッ セージ機能が使えるようになる。ユーザーがトークルームに入ると自動的 に動画が再生され、終了すると通販サイトへの導線が表示される

LINE@のAPIは何ができるの?

LINE@では先述のとおり、月額3万円の「プロ(API)」というプランがあります。これは企業の顧客データベースやシステムなどと「LINE」をAPIでつなぎ、1:1 でパーソナライズしたメッセージ配信を行うというものです。プロプランのターゲティングメッセージ機能は、あくまでLINE側で分析したみなし属性の集団に送ることができましたが、LINE@ のAPIを利用すれば企業側の顧客データベースと紐づけるため、さらに細かく1人ずつのセグメント配信が実現できます。メッセージの配信はチャットボットでも有人による対応でも、どちらでも可能です。
1:1によるメッセージという意味では前回ご紹介したビジネスコネクトにも似ていますが、あちらは通数で課金されますが、LINE @のAPI 版は、通数課金はありません。また、LINEビジネスコネクトは開発や導入をサポートする正式なパートナーを当社で選ばせてもらっていますが、LINE@に関しては完全にオープン化していますので、様々な開発業者さんがそれぞれサービスを展開しています。事業者側は自社の要望などを踏まえて、最適なベンダーさんを選択してもらえればと思います。

ECではどんな活用事例があるの?

EC事業者さんのLINE@活用で興味深いものとしては、アパレルECの企業さんがLINE@のアカウントに届いたメッセージに答える1:1のトーク機能を使って顧客対応している事例です。コーディネート相談などを行っているのですが、1日80件程度の問い合わせがあるようです。スピード感のある対応で顧客の課題解決を図り、ファン化につなげているのです。チャットボットなど自動化とは対極にある取り組みですが、コストをかけずにエンゲージメントを高める事例としては有効と思われます。
このような使い方からもわかるように、単にセール情報などの情報を発信するだけでなく、顧客の目線に立ったリピート施策を行うツールとしてLINE@は最適です。基本は友だちを集めて、期待に応えるようなメッセージを送るのが一番大事です。それをどうやり切るかです。HTMLメールを作成して配信するよりも簡単ですので、是非ともLINE@を使いこなしてもらいたいと思います。

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