LINEショッピング、会員3000万人を突破 ――サービスの初回利用促す施策に注力

LINEが提供しているアフィリエイトモデルの送客サービス「LINEショッピング」の利用者が順調に拡大している。9月には会員数が3000万人を超えた。無料通信アプリ「LINE」の月間アクティブユーザー数はおよそ8100万人の規模にのぼる。この「LINE」ユーザーにリーチして送客する仕掛けが奏功している。今は獲得した会員をコンバージョンにつなげることに注力しているという。

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「LINE」ユーザーの接点拡大

会員数が3000万人を超えた「LINE ショッピング」

「会員数は鈍化することなく、毎月一定のペースで増えています」。LINEのO2Oカンパニーショッピングサービスチームの大枝千鶴マネージャーはこう述べる。

LINEショッピングには約260の通販サイトや仮想モールが参加している。3000万人を超える会員は、ほぼ「LINE」から流入しているようだ。

LINEとしても「LINE」ユーザーにリーチするための仕掛けを施している。例えば「ウォレット」タブと呼ばれる多くのユーザーが閲覧する画面に、LINEショッピングの流入口を設置したほか、「LINE」内の検索結果にLINEショッピングの商品を表示するといった機能も盛り込んだ。

その結果、「LINE」ユーザーとの接点が増え、会員数の伸長を後押ししている。会員の伸びに伴い、LINEショッピングの商品取扱高も右肩上がりに推移している。

会員数は好調に増やせているが、その会員を実際の購買につなげることに今は注力している段階だという。

会員の商品購入は1割に

「ショッピングレンズ」の技術をレコメンドに活用

大枝氏によると、獲得した会員のうち、実際にLINEショッピングを経由して参加している通販サイトや仮想モールで商品を購入している人の割合は、およそ1割程度だという。つまり3000万人の会員を獲得しても、購買を行っているのは300万人というわけだ。

残り9割の会員が利用していない理由について同社では「今まではサービスの認知を図れば、お得なので自然と利用者が増えると思っていました。それが功を奏して会員数は増えましたが、会員になってもらった後で、まだサービスについてよく分からないという人は結構いるんじゃないかと思います」(大枝氏)とする。

その上で「LINEショッピングを使うとポイントが貯まったり、いろいろな通販サイトの商品を一括で探せて便利だということを知らない人は多いのではないでしょうか」(同)と分析する。

そこで同社はサービスの内容を伝えることに取り組んでいる。具体的にはLINEショッピング内でコンバージョンするユーザーを増やすため、新規会員向けのキャンペーンを仕掛けて、動画でサービスの内容を紹介してから特典を付与するといった試みを実施している。その以外にも簡単なクイズによってサービスについての理解を促し、同時にポイントも付与するという施策を行い、初回の利用を目指している。

新規サイト流入への仕掛けも

LINE のO2O カンパニーショッピングサービスチームの大枝千鶴マネージャー

LINEショッピングでは写真や画像から似ている商品を検索できる機能として「ショッピングレンズ」を昨年から導入している。この技術を生かして商品をレコメンドする際も、ユーザーが閲覧した商品と類似しているアイテムを推奨する仕組みを導入している。

LINEショッピングの参加サイトを横断して見た目が似ている商品を表示し、表示画像にはサイト名はあえて見せない。これにより「新規ユーザーが流入する可能性が高くなります」(同)としており、ユーザーが特定のサイトだけで買い物をするのではなく、新規サイトへの流入を増やす効果を期待する。

今後の強化策として現在は1日1回行っている商品データの更新頻度を高める。参加サイトから画像や商品情報を提供してもらい、数時間単位で最新のデータを読み込む。これにより「タイムセールや限定商品などのプッシュ通知が可能になります」(同)としており、来年6月をメドに開始する計画だ。

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