ゾゾ、「ゾゾスーツ2」を発表 ―解像度や認識性が大幅に向上

 ZOZO(ゾゾ)は10月29日、3D計測用ボディースーツ「ゾゾスーツ2」を発表した。同時に、スマートフォンを使って高精度な足の3Dサイズ計測が簡単にできる「ゾゾマット」と「ゾゾスーツ2」の計測テクノロジーを活用して新サービスを創出するパートナー企業の募集を開始した。同社の計測技術と、パートナー企業が持つ多様なテクノロジー、ノウハウをかけ合わせることで、新しい革新的なサービスを生み出していく。

「ゾゾスーツ2」では新サービスを共創するパートナー企業を募集する

 「ゾゾスーツ2」は、採寸用ボディースーツ「ゾゾスーツ」のデザインと、計測結果を用いた3Dモデル生成のアルゴリズムを大幅に改善しながらも、基本的な計測方法と計測の手軽さを維持しつつ、より精緻な身体の3Dモデル生成が可能とする。

 一般的に、身体の正確な3Dモデルを生成するには3Dレーザースキャナーなどが必要だが、「ゾゾスーツ2」の計測結果は3Dレーザースキャナーの計測結果と比較した際の平均誤差が3.7mmとなる精度の高さを示したという。

 旧ゾゾスーツは、全体に施されたドットマーカーをスマートフォンのカメラで360度撮影することで高精度な測定を可能とした採寸用のボディースーツで、すでに希望者への配布は終了しているが、旧ゾゾスーツで得た100万件以上の体型データは、現在もファッション通販サイト「ゾゾタウン」で展開中のマルチサイズアイテムなどのサービスで活用しつつ、計測解像度のさらなる向上を目指した開発を続けていたようだ。

 今回の「ゾゾスーツ2」は旧ゾゾスーツと比べてマーカー数を約50倍の2万個としたことで、マーカーの計測解像度も約50倍になった。スマートフォンのカメラで読み取れる情報量が増えたことで、曲部を含めてより詳細な体型情報を捉えることが可能になった。

 また、旧ゾゾスーツでは2mmのドットを認識対象としていたが、「ゾゾスーツ2」では認識対象を6mmのマーカーに変更することで認識性が向上した。加えて、撮影中の動きを補正する技術や、輪郭情報を使って3Dデータを最終的に補正する技術などの導入によって身体3Dモデルを生成するアルゴリズムが大幅に改善したという。

 ゾゾでは、「ゾゾスーツ2」について、旧ゾゾスーツのようにPB事業とセットで大量配布することはなく、外部企業と新たなビジネスを創出する方針で、高精度の計測データが求められるスポーツウエアやアンダーウエアなどの開発やサイズ推奨をはじめ、フィットネスや予防医療、ヘルスケア、ゲーム、エンタメなどファッションの枠を超えたさまざまな領域での活用を模索していく考え。

 同社では、「服についても、ボディーサイズが分かっただけではダメで、服自体の採寸や素材なども分かった上で初めてマッチングできる。ボディーサイズのその先を考えると、さまざまな会社のいろいろな可能性に使って頂いた方が、当社の技術を広める近道になる」(澤田宏太郎社長兼CEO)としている。

 なお、「ゾゾスーツ2」とあわせてパートナー企業の募集を開始した「ゾゾマット」については、「ゾゾマット」と3Dレーザースキャナーでそれぞれ生成した3D計測結果の平均誤差が1.4mmという。「ゾゾマット」は2020年2月下旬に配布を開始し、これまでに注文者は130万人、計測者は120万人を突破。計測結果は「ゾゾタウン」で展開する靴の専門モール「ゾゾシューズ」でのサイズ推奨に活用されている。

 また、「ゾゾマット」対応の靴はスタート時の100モデルから10月下旬時点で1173モデルまで拡大していることもあり、靴の売り上げ拡大に貢献しているようだが、「現状にはまだまだ満足はしていない。“靴を買うならゾゾタウン”というところまでもっていきたい」(澤田宏太郎社長兼CEO)と意気込む。

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