二輪・四輪メーカーの本田技研工業は１０月４日、グループ子会社を通じて国内の自動車メーカーとしては初となる、新車のネット販売を開始した。オンライン上で商談、見積り、査定、契約まで一貫して提供する。まずは東京都内在住の顧客を対象に展開していく。
同社では今年４月に四輪新車のネット販売の企画立案、運営を担う１００％子会社の「ホンダセールスオペレーションジャパン」を設立し、通販サイト「Ｈｏｎｄａ ＯＮ」を開設した。
同サイトでは「お客様の期待を超える自動車購買ＵＸ」をコンセプトとし、顧客が販売店を訪問することなく、スマートフォンで商談、見積り、買取車の査定、契約、自動車保険の手続きに至るまでのすべてオンライン上で対応する。
サイトのＵＩについてはスマホ向けに特化した内容で、販売店への来店経験がないような若年のＺ世代などの顧客でも使いやす直観的な操作性を採用。スマホの小さな画面でも迷わず選べるよう、Ｈｏｎｄａの人気車種、タイプ、オプションに厳選したプランを設定している。また、各車種に関するＳＮＳ上でのリアルタイムのくちコミを集めたＵＧＣ（ユーザー生成コンテンツ）も表示し、他の顧客による評価も参考にしながら、選ぶことができる。また、利用中に何か問題が起きた際には、専用のコンタクトセンターのオペレーターが、ストア内のチャットで３６５日いつでも相談に対応する。
契約後については、納車やその後のメンテナンスを受けることができる「Ｈｏｎｄａ Ｃａｒｓ」店舗を選択できるようになっている。
取り扱い車種は「Ｎ―ＢＯＸ」「ＦＩＴ」「ＦＲＥＥＤ」「ＶＥＺＥＬ」。事業開始時は、東京都内在住かつ、東京都のＨｏｎｄａ Ｃａｒｓ（８４拠点）に納車やメンテナンスで来店できる顧客のみが対象。来年以降順次、選択可能なエリアを拡大していく。
そのほか、会員制Ｈｏｎｄａ車レンタカーサービスの「ＥｖｅｒｙＧｏ１０」や「Ｈｏｎｄａマンスリーオーナー（Ｈｏｎｄａの中古車を最短１カ月から利用できるサブスクリプションサービス）」のサイトから有料での試乗予約も提供。
さらに、開始に当たっては「サブスクリプションサービス」も展開。月額利用料は、カーナビなどの基本的なオプション費用、自動車税、点検・車検・交換部品などのメンテナンス費用などをすべて含み、Ｎ―ＢＯＸであれば月額３万１０６０円からの設定としている。いつでも利用をやめられることや、乗り換えや買い取りを可能した仕組みも取り入れている。