DROBE 機能拡充などサービス強化

 オンライン完結型のパーソナルスタイリングサービスを手がけるDROBE(ドローブ)は4月7日、サービスのリニューアルや初のテレビCMの放送に加え、AIを活用したオリジナル商品の開発開始などを発表した。

 「ドローブ」は、プロのスタイリストと独自のスタイリングAIが顧客の嗜好や体型、予算などに応じたファッションアイテムを提案し、定期的に届けるパーソナルスタイリングサービスだ。利用者は届いた商品を試着して気に入ったアイテムだけを購入する仕組みで、不要な商品は無料で返品できる。初回は購入した商品の代金だけで利用可能で、2回目以降は商品代金に加えて1回当たり税込3190円のスタイリング料がかかる。

 現状の取り扱いブランド数は200以上で、ミドルプライスのトレンド市場のアイテムを中心に約15万点をそろえる。スタイリングAIで顧客のプロファイルに合った商品を絞り込んだ上でプロのスタイリストがスタイリングを組むが、発送前に提案商品の画像や価格などを確認してもらうことでミスマッチを防いでいるという。

 「ドローブ」では昨年12月に月商1億円、今年2月には会員数が20~40代の働く女性を中心に10万人を突破したことを機に、サービスをより使いやすくリニューアルした。
 今回、サービスのキービジュアルとタグラインを従来の「プロにお任せ、自宅で試着。」から「スタイリストがつくネットショッピング」に一新し、よりスタイリストとユーザーとの距離が近く感じられるフレーズにした。

 サービス説明部分には通常のファッションECやレンタルサービスとの違いなどの内容を追加。画像もクオリティーにこだわり、具体的な提案イメージやスタイリストからの着こなしのアドバイスを記載したカルテのビジュアルも掲載した(画像(上))。

 また、「ドローブ」では今年に入ってさまざまな機能拡充を実施。スタイリング料に税込980円を追加することで、通常は5点のアイテム提案を8点に増やせる「8点オプション」や、スタイリング料無料で使い放題となる「セレクトBOXパス」(3カ月5980円、6カ月9980円)などを導入した。


 4月9日からは初のテレビCM「DROBEあなたのために提案篇」を放送開始した(画像(下))。”新しい洋服の買い物体験”をコンセプトに、モデルのチバユカさんが洋服選びに悩む主人公を演じる。


 ソファーに横たわる女性(チバユカさん)がスマホの画面を見ながら「スタイリストさん、コーデお願い!」とつぶやくと、ワイプでスタイリストが出現し、「まかせて!」の一言で女性の服が次々とおしゃれな服装に変わっていく内容だ。「ドローブ」での買い物体験を、ソファー上でリラックスしながらスタイリストに服をセレクトしてもらう女性の姿で表現し、”スタイリストがつくネットショッピング”としての認知向上を図る狙い。

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AIを活用し独自商品開発

 さらに、同社では独自開発のAIを活用し、アパレルブランドと連携してオリジナル商品の開発をスタート。5月以降、「ドローブ」の別注商品として販売する計画だ。
 ドローブでは、「Vネック」や「長袖」など生産前に分かっている商品のディテール情報を独自開発したAIに組み込み、ユーザーごとの商品スコアを算出。当該スコアが高いほどそのユーザーに好まれる確率が高いことが分かり、継続ユーザーの過去の購入データによって3カ月後にどんな商品が求められるのかを一定程度予測できるという。

 そのシミュレーターを活用し、第1弾としてレギュラーサイズのアパレルはノーリーズ、イレギュラーサイズのアパレルはヒロタ、シューズはダニュウと協業。それぞれ「ドローブ」用の別注商品を製作中という。

 AIが判定した”売れる商品”の要素を用いて、メーカー側が商品の土台となるサンプルを作成。細かいディテールや着心地、トレンドなどの情報は人が持つ感覚的な意見を取り入れて多くのユーザーに気に入ってもらえる商品を生産し、5月以降の販売を目指す。

 ドローブでは昨年の秋冬シーズンからAIを活用した商品開発のトライアルを開始しているが、プロパー消化率が90%以上となる見込みで、成果が得られたことから、今春夏シーズンは3社の協力を得て20~30型の別注商品を開発する。

 「ドローブ」は来訪者の8割以上が継続顧客で、1カ月以上前から商品の発送が予定されている状態だ。高い精度での予測が可能なサービスモデルの素地があるため、本当に希望する商品だけを生産することができるとしている。

 同社では「AIを活用した商品開発がメインにはならない」(山敷守CEO)とするものの、「将来的には20~30%くらいの商品がAI活用による別注商品になり得るし、”売れるものを売れるだけ作る”という仕組みがファッション業界の余剰生産問題に貢献できる」(同)とする。

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