コーディネート機能に通販企業が注目【ファッションEC情報サイト】

【2011年7月号】

 ネット販売実施企業にとって、いかに自社通販サイトに消費者を呼び込むかは重要なテーマだ。そのため、SEO対策やウェブ広告はもちろん、最近ではツイッターやテレビCMの放映なども訪問者を増やす手段として活用されてきている。そんな中、衣料品通販サイトへの送客力が高い情報サイトとして、アイテム検索や商品画像を使って自分なりのコーディネートが楽しめるファッションサイトに注目が集まっている。

 昨年4月にヤフー出身者が起業したVASILY(ヴァシリー)のファッション情報サイト「iQON(アイコン)」と、欧米で同様のサービスを先行する米シュガー・インクが昨年7月に立ち上げた「SHOP STYLE(ショップスタイル)」だ。両サイトの特徴は大きく分けて2つ。1つは、提携するファッション通販サイトで取り扱うアイテムを検索できる機能。利用者は、ブランド名や商品カテゴリー、カラー、サイズ、価格帯などで絞り込み検索ができ、「ショップスタイル」では、商品画像にカーソルを合わせるだけで商品情報や在庫の有無、取り扱いサイトが表示されるようにしている。すべての商品は統一フォーマットで表示されるため、通販サイトの壁を取っ払って、ウィンドーショッピングをする感覚でアイテムを探すことができるのが特徴だ。

 もうひとつの機能がファッションアイテムの画像を組み合わせて好みのスタイリングを作成し、サイト内にアップして他のユーザーと交流が図れるコーディネート&コミュニティー機能。それぞれのアイテムには販売元であるファッション通販サイトの商品ページへのリンクが貼られているため、気になる商品があれば通販サイトに飛んで購入できる。消費者が提携先サイトで商品を購入した場合、「ショップスタイル」と「アイコン」は提携先からアフィリエイト収入を得る仕組みだ。

 通販サイトの運営側に面倒な作業はなく、ファッション情報サイトのエンジンが商品画像やテキスト情報を取り込んで表示するという手軽さもあって、両サイトとも現在、約100の通販サイトと提携している。アバターにアニメ化した服などを着させて楽しむコミュニティーサイトなどはあるが、両サイトは実際に手に入る商品が対象で、「予想以上に実売につながっている」と評価する通販企業が増えてきている。

 日本でサービスが始まって1年程度だが、一定の成果を上げている両サイト。これは、服をネットで探したり、購入する層が広がっていることに加えて、これまでの情報収集や検索を中心としたネット利用から、ツイッターやフェイスブックの利用もあって、消費者自身が情報発信や自己表現の場を求めており、その最たるものが“ファッション(コーデ機能)”とも言えそう。

 欧米でも展開する「ショップスタイル」は、消費者が投稿したコーデ作品は世界で30万点を超えており、同サイトに消費者が集う原動力にもなっている。また、同サイトでは、全世界でファッション通販サイトへのクリックスルーは月間約1100万件で、「ショップスタイル」を経由して商品購入に至った額は年間180~200億円まで拡大しているという。

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