越境ECモールの「eBay」を運営するイーベイ・ジャパンはこのほど、世界9カ国の2万8000人以上を対象に調査したリコマース(中古品EC)に関するレポートを公表した。それによると、海外での中古品購入が拡大している傾向が見られるとした。
同調査ではeBayの利用者だけでなく、一度も利用したことがない一般消費者も含めて、リコマースに関するトレンドと関心を評価するために今年2〜4月に実施したもの。米国、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストラリア、日本が対象となっている。
eBayの売り場内では、前の所有者に大切にされていた「プレラブド」商品や、再生された使用済みアイテムの「リファービッシュ」商品が総売上の約40%を占めており、中でも今年3月の古着衣料品、靴、アクセサリーの世界的な売上高は、前年比で約5倍以上に増加したという。
日本とそれ以外の国との回答で大きな意識の違いがあった内容としては、「プレラブド商品の購入が流行していると答えた割合」が日本は14%であるのに対し、グローバルは50%。また、「ファストファッションは環境に有害であると感じる割合」が日本では17%で、グローバルは53%。「プレラブド商品を買うことでより良い人間になったと感じる割合」が、日本は16%でグローバルは43%。「日々の購買決定においてサステナビリティを重要視する人の割合」は、日本が41%でグローバルは63%となった。
また、「アクシデンタルアントプレナー」(偶然の起業家)になったと回答した割合について国別で見ると、1位が日本で57%、2位がイタリアで48%、3位が同率でフランスと米国の43%、5位がカナダで42%という順になった。
同社によると、日本は越境ECによる売り上げが年々伸長。背景には円安を受けて海外バイヤーにとって日本の商品が割安になり、価格競争力が向上していることや、世界的なサステナビリティへの関心の高まりを受けて、日本で使用された中古品に対する需要が増加していることなどがあるという。