ライブ動画の配信や視聴ができるアプリ「SHOWROOM(ショールーム)」を手がけるショールームは5月8~14日の期間、オリジナルTシャツのライブコマースを実施した。
衣料品の生産プラットフォームを提供するシタテルと連携。シタテルがアパレルの生産や企画面を支援した。
「ショールーム」では、視聴者が「ギフティング」と呼ばれる方法で配信者を支援できる仕組みになっており、配信者にとっての収益源にもなっている。ギフティング以外の新たなマネタイズの方法を模索する中で今回の取り組みに至った。
同企画はライブコマースにとどまらずリアル店舗での販売にまで広がる予定のようだ。
ユーザー参加型でデザインを考案
「ショールーム」上ではアイドルやタレント、アーティストらがライブ配信を実施している。専用のアプリ以外でもブラウザ経由でライブを視聴することもできる。
今回実施した企画では、「ショールーム」のライブ配信者の中から特に人気がある16人を選抜。各自がそれぞれオリジナルTシャツを考案した。
まず配信者がデザインした手書きのラフ案を、シタテルのデザイナーズネットワークを使いイラスト化した。
2種類のデザイン案を作り、「ショールーム」でのライブ配信を通じて、視聴者にどちらのイラストがいいか投票を募り、1つに絞った。
投票の過程では、視聴者から改善提案などの声があり、それを受けて再度デザインを変更したアイテムもあった。企画段階からユーザー参加型で、配信者と視聴者が双方向でTシャツのデザインを作り上げていった。
配信者のファン自らが、販売される商品を選ぶという仕掛けは好評を博したもようで、視聴者から商品について多くのコメントが集まったという。
こうしてデザインが決まったオリジナルTシャツは、5月8~14日にわたって各配信者がライブコマースで販売。「ショールーム」内に「SHOPROOM(ショップルーム)」という販売機能があり、これまでもアーティストのCDの販売などに使われていたが、今回のライブコマースではその「ショップルーム」の機能を活用したようだ。
都内の「池袋パルコ」でポップアップストアも
ライブコマースでは販売した商品は、配信者16人がそれぞれ視聴者とともに考案したデザインのTシャツに加えて、各自のアバターを胸元にデザインしたものもラインアップした。
価格は税抜4980円。商品はすべて受注生産で、6中旬をメドに顧客のもとに届ける。
今回のライブコマースで200枚以上のTシャツを売り上げることに成功した配信者は、その次の展開も用意されている。
6月下旬に東京・池袋にある商業ビル「池袋PARCO(パルコ)」のポップアップストアでTシャツを販売することができるのだ。ライブコマースで人気があったアイテムを実店舗でも提供し、ファンだけでなくパルコの来店客にもアピールする狙いだ。
若年層に人気の「ショールーム」上で仕掛けた今回のライブコマース。アパレル以外の商材も含めて次の取り組みにつながるのか注目だ。