通販サイト構築サービス「Shopify(ショッピファイ)」を運営するShopifyJapan(=ショッピファイジャパン)は7月19日、「ショピファイ」利用者が動画投稿サイト「ユーチューブ」で商品を販売できるサービスを始めると発表した。
「グーグルチャネル」アプリの機能として提供するもので、同アプリを利用すれば無料でユーチューブ上での通販ができるようになる。
注文時も動画視聴可能
「ショッピファイ」を利用するEC事業者は、ライブストリーミング中の重要なポイントに商品をタグ付けすることができる。また、ピクチャー・イン・ピクチャー(デバイスで他のアプリを使用しながら小さなプレーヤーで動画を視聴できる機能)で再生できるため、顧客が商品を購入している間も動画を視聴することができる。
また、動画の下部に商品欄を配置し、商品リストを表示することもできる。さらに、事業者のユーチューブチャンネルに新しいタブを追加することで、取り扱っている全商品が表示できるようになる。
日本カントリー・マネージャーの太原真氏(=写真)は、同日の記者会見で「動画の真下に商品が表示されるため、動画と関連性の高い商品を見せて、そのままコンバージョンにつなげることができる」と新サービスのメリットを説明した。
今回の新サービスは、EC事業者から、ユーチューブに投稿した動画を直接売り上げにつなげたいという要望が多かったことから、機能を開発したという。「今後、ライブコマースが中国のように流行した場合は、恐らくユーチューブがトップのプラットフォームになるのではないか」(太原カントリー・マネージャー)。
ユーチュブで直接商品購入できる仕組みも
商品名や画像、価格、配送などは「ショッピファイ」の情報が反映される。商品が売り切れた場合は自動で削除される仕組み。また、「ショッピファイ」の管理画面からライブビデオやオンデマンドビデオの動きを直接追跡し、複数チャネルの売り上げを把握す
ることができる。
ユーザーは通販サイトに遷移してから商品を購入することになるが、ユーチューブ上で直接購入する仕組みをアメリカでは取り入れており、今後は日本でも導入する予定だ。また、ピンタレストなど他のソーシャルメディアでもソーシャルコーマスを展開していくという。
今回の連携に際し、ショッピファイの商店サービス担当副社長カズ・ネジャティアン氏は「今日の商取引はマルチチャネルであり、ユーチューブは世界中で最も影響力のあるチャネルの1つだ。『ショッピファイ』の、ユーチューブとの新たな統合は、クリエイターエコノミーにおける独立系ブランドのビジネスチャンスを一新する。グーグルとの長期的なパートナーシップを拡大し、ユーチューブでのD2Cコマースに新境地を開くことができたことを大変嬉しく思っている」とコメントした。
また米ユーチューブのショッピング担当バイスプレジデントである、デビッド・カッツ氏は「長年にわたり、クリエイターはユーチューブのコンテンツを中心にビジネスを展開し、しばしば起業家精神を発揮して独自のブランドを構築してきた。しかし、これらの商品をユーチューブ上で直接視聴者に届けるには、シームレスな手法が欠落していた。『ショッピファイ』と提携することで、クリエイターはユーチューブ上でより簡単にストアを展開し、コミュニティーと交流できるようになるほか、プラットフォーム上でのショッピング機会を促進することも可能となる」とコメントしている。