米ランズエンドの日本法人が事業終了――94年の事業開始から28年の歴史に幕

 米衣料品通販大手の日本法人、日本ランズエンドは9月28日、2022年12月31日付で事業を終了すると発表した。米ランズエンドでは9月上旬に実施した株主総会で日本からの撤退を発表しており、それを受けたもの。日本撤退の理由については米本社、日本法人ともに明らかにしていない。

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日本語での通販サイトも閉鎖

 日本ランズエンドの事業終了に伴い、同社が展開している日本語による通販カタログ発行や通販サイト運営、日本独自に実施してきた日本人向けのサイズ展開「ジャパンフィット」の販売なども終了する。電話や通販サイトでの受注は12月22日(FAX・郵便での受注は10月末まで)まで、顧客からの問い合わせ対応は2023年1月13日まで行う。顧客へは同日付けでeメール等で通知した。

 今後、日本での事業展開は米ランズエンドが通販サイトなどを通じて実施していくが、これまでのような日本語対応したカタログや通販サイトの展開などは行わない模様。また、日本ランズエンドが運営してきた国内の物流拠点は閉鎖するため、これまで実施してきた商品を受注後、翌日に配送する「翌着」や無料商品交換に対応する「楽替」などの配送サービスも行わないようだ。

9月28日に送付したeメール「【大切なお客様へ】日本ランズエンド閉店のお知らせ」で日本ランズエンドが事業を終了する旨を顧客に通知した

米本社の業績不振が原因?

 日本ランズエンドはランズエンドの日本市場への本格展開を目的に1993年10月に設立、94年から営業を開始した。同社では売上高は非公表としており、詳細は不明だが、米アウトドアブランドブームの波に乗り、順調に売り上げを拡大。ブーム終了後も日本市場に合わせたサイズ展開やカタログ展開、「翌着」や「楽替」などの配送サービスの実施(※日本法人撤退に伴い、「翌着」は9月5日、「楽替」は10月末で中止)などで堅実に事業を伸ばしてきた。民間調査会社によると直近の業績(2022年1月期)もコロナ禍を乗り越え、増収で推移していた模様。

 日本撤退の理由については米本社、日本ランズエンドとも明らかにしていないが、米ランズエンドが9月に発表した今期第2四半期(5~7月)決算によると売上高が前年同期比8.6%減の3億5117万ドル、営業利益が同82.3%減の554万ドル、最終損失は217万ドル(前年同期は1622万ドルの黒字)と減収減益となっていた。また、ランズエンドは現状、米国のほか、欧州数カ国で現地法人を構え、事業を展開中だがアジア地域の現地法人は日本ランズエンドのみだった。体型や好みが欧米と異なるアジア市場への事業展開をやめ、リソースを集中させる狙いなどがあったとの見方もある。

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