楽天、都内に実店舗を相次いで開設――韓国コスメやインフルエンサーのおすすめ商品販売

  楽天グループでは、仮想モール「楽天市場」の実店舗を相次いで開設した。12月1日にはO2O店舗「カルチャーマーケットサポーテッド・バイ・楽天」を東京・原宿の「ラフォーレ原宿」1階にオープン。12月12日~18日には、ショッピングSNS「ROOM」のショールーミング型ポップアップストア「ROOMGIFTSELECTIONPOPUPSTORE」を、東京・新宿の「新宿マルイ本館」1階にオープンした。店舗を通じ、新規顧客を獲得する狙いがあるようだ。

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店舗でライブ配信も

  「カルチャーマーケット」は韓国人気コスメブランドのマーケティングを手掛けるシーズマケットが運営しており、楽天市場に出店する10店舗15ブランドの商品100以上を揃えた。店舗面積は約60m2。このうち1割程度は店舗でしか買えない商品という。

 楽天コマースカンパニーマーケットプレイス事業海外営業戦略部韓国事業課の阿部愛美マネージャーは「原宿は若年層を中心に新しい文化が発信される場所」と原宿に出店した理由を説明。同氏によれば、「巣ごもり」で韓国アイドルやドラマに触れる機会が増えたことなども昨今の韓流ブームの背景にあるという。

 楽天市場における韓国関連商品は約170万点で、化粧品やファッション、食品が人気を集めている。同モールにおける2021年の韓国関連商品の流通総額は、18年比で約2.8倍。特に韓国コスメの流通額はこの3年間で約6倍となっている。直近の商品数は6万点にのぼり、韓国コスメブランドの公式店舗数は4年間で約15倍となっている。「韓国コスメは一過性のブームから定番商品へとシフトしている」(阿部マネージャー)。

カルチャーマーケットの店内
ROOMのポップアップ店舗と楽天・楠理紗氏

 23年3月末までの第1弾として、楽天市場」に出店する「ティルティル」や「コスアールエックス」、「クリオ」といった人気ブランドのコスメを販売。店頭に展示するQRコードをスマートフォンで読み取ることで、楽天市場における各店舗の商品ページに遷移できるようにした。なお、店舗は常設店となる。

 日本と韓国のインフルエンサーを招いたイベントのライブ配信(インスタライブ)や、店舗スタッフによるライブ配信を実施。配信中には楽天市場の販売ページへの誘導を行うという。シーズマケットの福元雄一社長は「体験とコミュニケーションをテーマにしているので、『K-POP好きを集めたイベント』『韓国留学したい人を集めたイベント』など、さまざまなイベントを随時企画していきたい」と話す。

ギフト用品を訴求

 一方、ROOMのポップアップ店舗は、楽天市場で販売される商品の中から、ROOMのインフルエンサーである、大日方久美子さん、谷尻直子さん、加藤順子さんが選んだ、ファッションやインテリア、キッチン用品、家電製品、食品など30商品のほか、楽天市場出店店舗とROOMインフルエンサーとのコラボレーションによる限定商品6商品、計36商品を展示した。「ギフト」をテーマに3人のインフルエンサーが商品をセレクト。インフルエンサーがROOMに投稿している愛用の商品も多い。

 ROOMは楽天市場の全ジャンルの商品が投稿できるSNSである点が強みであることから、さまざまなジャンルの商品を選んでもらったという。「ギフト用ふりかけ」や「似顔絵入りウイスキー」などの変わり種も展示している。「ROOMのユーザー層は30~40代女性で、新宿マルイ本館の顧客層と合致する」(市場編成部CWD戦略推進課ROOMグループの楠理紗氏)ことから、同店への出店を決めた。

 商品は店頭で購入できないほか、値札もつけていない。来店者は店頭に展示するQRコードをスマートフォンで読み取ることで、楽天市場各店舗の商品ページに遷移し、決済をするOMO店舗となる。楠氏は「ROOMの強みはインフルエンサーの顔を出して商品を紹介できるところ。『インフルエンサーとの出会いから楽天市場で素敵な商品を見つける』というオンラインでのコンセプトをオフラインでも展開することで、店頭経由の新規ユーザーを獲得したい」と話す。また、インフルエンサーを活用したギフトECの需要を測る狙いもあるという。

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