ZOZO(ゾゾ)は2022年12月16日、同社初となる常設のリアル店舗を東京・表参道にオープンした。服は販売せず、独自のAIとプロスタイリストの知見を合わせて利用者の“似合う”が見つかる超パーソナルスタイリングサービス「niaulab(似合うラボ)byZOZO」を無料で提供する。同日から応募を受け付け、実際の運用は23年2月1日からとなる。約1年半の構想期間を経て「似合うラボ」が始動する。
「似合うラボ」を体験したいユーザーはLINEから簡単に応募できる。当選者にはLINEでカウンセリングシートが届き、体型やファッションに関する悩み、好みなどを事前に回答してから予約時間に来店する形だ。
「似合うラボ」では、案内役を務めるゾゾのスタッフと、プロのスタイリスト、ヘアメイクが出迎え、まずは来店時の服装で体験前の撮影を行う。
カウンセリングルームに入ると、ファッションコーディネートアプリ「ウェア」の持つ約1300万件のコーデデータをもとに構築されたAI(似合うラボAI)が、アンケート結果から利用者の好みに合いそうな3つのスタイリングを提案。画像がスマートミラーに表示される。
無難な服しか選ばないという男性のビフォー(左)・アフター写真
当該画像を見ながら、経験豊富なスタイリストがユーザーの服装にまつわる悩みや、なりたいイメージなどを直接ヒアリングした上で、店内の服や靴、小物類などを一緒に見て回り、改めて3パターンのスタイリングを提案する。
店内には「ゾゾタウン」で扱う幅広いブランドの中から常時700点以上のアイテムを用意している。
テクノロジーの力とスタイリストの知見をかけ合わせるとともに、スタイリストからの一方的な提案ではなく、しっかりとコミュニケーションをとって利用者と一緒に“似合う”を見つけるのが「似合うラボ」の特徴だ。
広い試着室で3パターンのスタイリングに着替えてもらって、それぞれカメラマンが写真を撮ると、3体のスタイルがスマートミラーに表示される。その中から一番気に入ったスタイリングを利用者に選んでもらう。
その後、「ゾゾコスメ」で取り扱うアイテムが並ぶヘアメイクルームでプロがヘアメイクを施したのち、体験後の姿を撮影する。
最後に、スタイリングのポイントが書かれたカードと写真、「似合うラボ」のグッズをプレゼントする流れとなる。また、スタイリングで使用したアイテム一覧はLINEで送り、後日、「ゾゾタウン」で購入しやすくする。
案内役のゾゾスタッフによると、事前のアンケートで好きなブランドや挑戦したい格好などを把握しているため、当日はスムーズに案内できるように心がけているという。年齢や職業などに合わせて、利用者が求めるスタイリングに導けるように寄り添う。
スタイリングはスタイリストが主導して提案するものの、利用者の立場に立ってミスマッチな提案にならないようにフォローする。対面サービスの強みを生かし、一方通行のサービスにならないように気をつけているという。また、スタイリストが使う言葉は専門的で分かりづらいこともあるため、かみ砕いて分かりやすい言葉で利用者に伝えるのも役割のひとつだ。
一足早く「似合うラボ」を体験した25歳の男性は、「プロのスタイリストさんにコーディネートを組んでもらうのは初めてで、すごく新鮮。『似合うラボ』を体験してみて、期待以上だった。ヘアメイクもしてもらえて、100点満点を超えるサービスだと思う。普段はベーシックで無難な服しか選ばないので、今日は色などが入ったスタイリングに挑戦したいとリクエストした。この服装であれば表参道を自信満々に歩くことができる」と目を輝かせた。
「似合うラボ」は、2時間以上の貸し切りというリッチな体験を無料で提供するため、1日4~5人の利用が限度で、年間1000人程度にサービスを提供する見込みだ。なお、ゾゾによると、2月分100人の枠に対し、応募開始3日間で2万件を超える申し込みがあったという。