PayPay、ネット販売サイト限定で大型キャッシュバック――10倍還元でオンラインでも加盟店、決済回数拡大へ

 ソフトバンクのグループでスマートフォン決済サービス「PayPay」を展開するPayPayは6月1日から同30日までの1カ月間にわたって、「PayPay」を決済手段として導入している通販サイトの支援を狙ったキャンペーンを実施する。同決済を利用した商品購入者に対して、抽選で決済額の最大10倍を還元する試みと全利用者に1割分を還元する取り組みだ。同社ではドラックストアやスーパーマーケット、飲食店など特定の分野やジャンルごとに毎月、対象店で「PayPay」を使って買い物をした利用者にキャッシュバック率を通常時よりも大きく増やす試みを展開中で、今回の取り組みもその一環だが、これまではいずれも実店舗を対象としており、対象店をネット販売サイトに限定して実施するのは今回が初めて。PayPayではこれまでグループ内のサイトに限定していた「PayPayのオンライン決済対応」を解禁。今春からグループ外のネット販売実施企業が自社通販サイトの新たな決済手段として「PayPay」を導入し始めたばかり。実店舗でのスマホ決済としてはソフトバンクグループが総力を挙げた徹底的なPRと営業力で競合サービスに比べて、決済回数や加盟店数などで圧倒的なポジションを作り上げたPayPay。オンライン上においても「PayPay」の導入加盟店と利用者の拡大を図っていきたい考えのようだ。

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1等は10倍、2等は全額をバック

6月から利用者のうち抽選で決済額の最大 10 倍を付与する試みと、利用者 全員に決済額の 10%を還元するネット販売サイト限定のキャンペーンを開 始する
 PayPayが6月の1カ月間、実施するキャンペーンは2つ。1つは「PayPay」を利用した商品購入者に対し、抽選で決済額の最大10倍を還元する「ペイペイジャンボ(オンライン)」だ。同キャンペーンは「PayPay」を導入する通販サイトで同決済を利用したユーザーを対象に、決済額の10倍を還元する1等を1500本と、決済額全額を還元する2等1万5000本を抽選で選び、付与するもの。なお、期間中の還元額の上限は10万円。

6月から利用者のうち抽選で決済額の最大10倍を付与する試みと、利用者全員に決済額の10%を還元するネット販売サイト限定のキャンペーンを開始する

利用者全員に10%還元も。

 同時にもう1つ実施するキャンペーンは「PayPay」で決済したユーザーに決済額の10%分を還元する「6月はオンラインがお得!最大10%戻ってくるキャンペーン」。これは抽選ではなく、ユーザー全員が対象となる。期間中の付与上限は5000円まで。

 両キャンペーンともに対象となる通販サイトは「PayPay」を決済手段として導入する全通販サイトではなく、PayPayが指定した一部サイトのみで対象サイトにはキャンペーンのバナーを掲載する。

 5月中旬現在において、参加を予定しているのはアウトドア用品のネット販売を行うナチュラムの「アウトドア&フィッシングナチュラム」やパソコンや周辺機器などの販売を行うサードウェーブが運営する「ドスパラ」、家電のネット販売を手掛けるMOAの「プレモア」、大手家電量販店のヤマダ電機が運営する「ヤマダウェブコム」、オーダースーツのEC事業を手がけるFABRICTOKYOなどが6月1日から参加。このほか、家電の通販サイトを運営するディーライズが運営する「D‒RiSE」が6月12日から、靴とファッションのネット販売を手がけるロコンドが運営する「LOCOND.jp」は6月19日から参加するという。

 また、キャッシュバックの対象は「PayPay」での決済のうち、事前にチャージした金額で支払う「PayPay残高」で決済したユーザーのみ。事前にチャージした残高を超えた決済の場合に、登録していたクレジットカードで決済する形の場合や後払い「PayPayあと払い」での購入分は同キャンペーンでは対象外となる。また、両キャンペーンでのユーザーへのキャッシュバックは「PayPay」のボーナス用電子マネー「PayPayボーナス」で行う。

5月9日付で累計決済回数は10億回を突破

オンライン決済、外部ECサイトに解禁

  「PayPay」は2018年10月のサービス開始以来、順調に利用数を拡大しており、加盟店数は4月時点で220万カ所、累計決済回数は5月9日付で10億回を突破するなど順調に利用数を増やしているよう。これはサービス開始以降、様々な大型キャッシュバックキャンペーンや全国20カ所に拠点を設置した積極的な営業活動による加盟店舗の開拓などが奏功したもので、競合のスマホ決済サービスの中で抜きんでた存在となっている。これまでは基本的に実店舗に「PayPay」を導入してもらい、加盟店を広げつつ、利用店舗数を増やすことで利用者、決済回数を増やしてきたが、さらに加盟店や利用者数を増やすべく、例えば通販事業者が顧客に送付する商品代金の振込用紙の決済への対応をスタート。用紙に記載されたバーコードをPayPayの専用アプリを立ち上げ、読み取ることで決済ができるもので、昨年9月から開始している水道代や電気代といった公共料金の請求書の決済に対応した「PayPay請求書払い」の機能を今年の1月17日から通販事業者の請求書にも対応させている。ディノス・セシール、キューサイ、やずや、わかさ生活、長寿乃里、さくらフォレスト、小豆島ヘルシーランド、イング、久原本家、ベルネージュダイレクトなどが導入しているよう。「PayPay」のオンライン決済サービスの強化もその一環。すでに昨年6月からグループのヤフーが運営する仮想モール「ヤフーショッピング」やネット競売「ヤフオク!」、また、アスクルが運営する日用品通販サイト「LOHACO(ロハコ)」などグループ内の一部のサイトで導入を始めたPayPayのオンライン決済サービスを今春からはグループ外部の通販サイトにも解禁し始めたばかり。今回のキャンペーンに参加予定のロコンド、夢の街創造委員会、イートアンド、さくらトラベルなどがすでに導入している。

ナチュラムなど「PayPay」を決済手段に導入している通販事業者らが参加する
 6月から開始する初となる外部の通販事業者を対象とした販促支援のための2つのキャンペーンで「PayPay」を決済に導入しているECサイトを支援して、オンライン上でも加盟店の拡大を強化したい考えのようだ。

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