通販サイト構築サービス「Shopify(ショッピファイ)」を運営するShopifyJapan(ショッピファイジャパン)は2月21日、コンバージョン率の向上などを目的に、決済関連で新機能を追加すると発表した。
加ショッピファイでは、「ショッピファイ」の新製品や機能向上を目的に、「ShopifyEditions」を年2回発表しており、今回は「EditionsWinter‘23」として100以上の新製品や機能追加が公表された。
配送日時指定や、氏名のふりがな欄追加、ポイントシステムとの連携など、日本でのみ必要とされていた決済画面のカスタマイズに関して、より簡単に実装できるようになった。これに伴い、パートナー・開発者向けには「チェックアウトアプリ」の開発ツールを提供する。
これまでは、決済画面をアップデートやカスタマイズする際はコーディングが必要だった。新たに追加された「チェックアウト拡張機能」を使うことで、アプリを介してカスタマイズすることができる。例えば配送日時指定を追加したい場合は、「ショッピファイ」のアプリストアで提供される、サードパーティーのアプリをインストールし、「チェックアウトエディター」で設定することで、簡単にカスタマイズができるようになった。また、「ショッピファイ」の機能がアップグレードされても、事業者がカスタマイズした機能が反映されるという。
3ページだった決済画面を今年後半から1ページ表示に変更する。決済画面をシンプル化することでページの読む込み時間を減らし、コンバージョン率の向上につなげる狙い。これまで「ショップペイ」というアプリでは1ページ表示に対応していたが、ショップペイでは従来の決済画面と比較して、モバイルにおけるコンバージョン率が91%向上したという。同アプリは住所や決済情報を保存する機能があるため、1ページ表示のみがコンバージョン向上に寄与したものではないというが、今回の機能改善でも一定の効果が見込めるとしている。
また、「ショッピファイ」利用店舗が検索できる、消費者向けスマートフォンアプリ「Shop」の機能を強化する。これまでは、全ストアが同じように表示されていたが、自社のブランドカラーやロゴを活用することが可能になる。商品ラインアップや、売れ筋商品、くちコミ、ブランディングといった機能により、アプリ上展開するストアをカスタマイズできる。例えば、商品購入後にレビューを依頼するプッシュ通知を送ったり、レビューを「ショッピファイ」管理画面から確認し、コメントを返信したりすることなども可能となる。
さらに、消費者が通販サイトの会員登録画面で情報を入力する際、「ショップ」アプリを利用している場合は、アプリを用いてログインすることができるようになる。アプリ上でパスキーが有効化されている場合は、顔認証や指紋認証といった生体認証キーで簡単にログインできるという。
1月に値上げを実施
また、同社では取引量が多い企業向けのプラン「ショッピファイプラス」の国内における本格展開を開始することも発表。ショッピファイプラスは、月額2000ドル~のプラン。取引量の多い企業が対象で、越境ECを展開する企業や、外部IDシステムとの複雑な連携をしたい企業などの利用を想定している。販売・通販サイト構築・運用に関して、ショッピファイジャパンから担当者がつく。
ショッピファイプラスの場合、同社が認定した外部企業「ショッピファイプラスパートナー」があり、認定企業からのサポートを受けることができる。2021年は国内12社がパートナーとして認定されていたが、22年末には20社まで増加しており、今後も強化を進める方針だ。
同社では、日本専任の営業担当を設けたのが21年11月だが、味の素やウィゴー、亀田製菓、タンスのゲンなどがショッピファイプラスを利用しており「非常に手応えを感じている」(伊田聡輔シニアセールスリード)という。
なお、加ショッピファイでは1月24日、ベーシック、スタンダード、プレミアムの3プランを値上げしたことを公表しており、日本向けプランも同日、これに準じて値上げが行われた。ベーシックは月額29ドルから33ドルへ、スタンダードは同69ドルから92ドルへ、プレミアムは同299ドルから399ドルへそれぞれ値上げされた。なお、既存顧客は3カ月間、月額料金が据え置かれることから、4月23日までに年額契約へ切り替えるよう呼びかけている。