体験レポート:第13回 桃谷順天館の「シェフドボーテ」ポップアップ

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好みのテクスチャーでスキンケア製品を選ぶ

本誌記者が注目のサービスを体験!
EC企業が提供するさまざまなサービスを本誌記者が体験し、いちユーザー視点でサービスの使いやすさや改善点をチェックする。

 桃谷順天館が7月2日から7日まで都内で開催した新スキンケアブランドのポップアップを訪れた。

 新ブランドの名称は「CHEFdeBEAUTÉ(シェフドボーテ)」。同ブランドでは、スキンケアを各自の好きな“テクスチャー(使用感)”で選んでもらうという体験を提供する。

ポップアップの内装

 ポップアップでは五感をテーマにしたさまざまな体験エリアを設置した。最初に訪れたのは“味覚”コーナー。品種や原産地は全く同じだが、製造方法が異なる2つのレーズンを食べ比べて、味わいの違いを確かめる。早速食べてみたところ、色の濃い方は普段食べているレーズンに近いような食感。しかし色の薄い方は、みずみずしさも感じられるほど柔らかい果肉で、甘みも前者より強く感じられた。スタッフによると、「干す時間の長さによって甘みに差が出る」ようだ。

 次は嗅覚の体験コーナー。暗闇のような空間で、ワイングラスの中に入っているオイルの香りを味わう。「目の前のモニターに映像が流れるので、まずは目を閉じて香りをかぎ、次に目を開けて香りをかいでみてください」とスタッフに促され、まずは目を閉じた状態で香りを味わう。フローラルな良い香りだが、何の香りと聞かれればやや答えに窮するところだ。「目を開けていいですよ」との指示に従うと、の前にはバラの花が咲き誇る庭園の映像が。そこで改めてグラスの中の香りをかぐと、目を閉じていたときよりも香りの輪郭が鮮明に感じられた。これは庭に咲いた青い葉や土の香りをブレンドしたローズガーデンの香り
「0531」で、今回の新商品にも使われているという。視覚などの情報が追加されると、香りをより十分に楽しめるということを実感した。

嗅覚の体験コーナー。庭園の映像を見た後はバラの香りがより鮮明に感じられる
化粧水4種、クリーム5種、スキンフレグランス4種のタッチアップができる

 次はポップアップの目玉、新商品のタッチアップコーナーである。「シェフドボーテ」では、含有成分や内容量がすべて同じ化粧水5種類、クリーム4種類の中から、好みのテクスチャーの商品を選んでもらう。化粧水(100ml、税込6600円)は、雲のように心地よいふっくら感を感じる「KUMOGAKURE」、時雨のように万物を潤すテクスチャーの「SHIGURE」など全5種類。記者もすべてのテクスチャーを試してみたが、中でも雪の結晶をイメージした「KOBOREYUKI」がお気に入り。肌の奥深くまですっと染み込む感覚があり、「今、美容成分を吸収している!」といった気持ちよさを味わえた。スタッフによると、「KOBOREYUKI」は特に乾燥肌の人に人気だそう。記者もまさに乾燥肌なので、言い当てられたような驚きと納得感があった。

クリーム(30g、同8800円)は、なめらかな伸び広がりの「NAMIMA」、日差しのような柔らかな暖かみを感じる「HIAKARI」など全4種類。かなり迷ったが、記者は朝露のようなみずみずしさを感じる「TSUYUMARI」が一押しだった。

 化粧品に加え、今回は新たに「スキンフレグランス」(10包入り、同1540円)も販売する。使い方は、スキンケアを始める前に、手全体に香りオイルを馴染ませるだけ。嗅覚コーナーで体験したローズガーデンの香り「0531」に加え、原始の森の香り「0803」など、4つの香りを用意した。「0531」は5月31日」という意味で、四季のイメージに合わせた香りを4種展開している。記者は金木犀の香り「1017」が最も好みだったが、それぞれ体験したことのない個性的な香りで印象に残った。

自分の五感を信じて選ぶ

 次に体験したのは「ららクロ3D骨格診断」(税込1000円、館内での買い物金額が同5000円以上で無料、日時予約制)。最新のボディスキャナーを使用して、全36通りの中から個人のボディタイプを診断するというサービスだ。カーテンで覆われた試着室のような区画で、下着姿になって身体の形状や厚みを計測する。撮影時間はなんとわずか0.8秒という。

 計測後に表示されるQRコードを携帯で読み取ると、事前に登録していたサイトから結果を確認することができる。各パーツのサイズと、自身の体型を3D化したリアルなアバターに記者は戦慄。女性ならば誰しもが「目を背けたい」と思うデータではないだろうか。

 同診断では、正面から見た身体のバランスを「A・I・V・X」の4つの体型タイプに分類。記者は「Xタイプ」と診断された。ウエストの幅に対して肩幅とヒップの幅の均整がとれており、くびれがはっきりしていて立体感があるのが特徴という。

 さらに、身体の断面形状の幅と奥行きの割合から、上半身と下半身それぞれの厚みを1~3の3タイプに分類。

 記者は上半身がすっきりしている「1」、下半身は適度に厚みがある「2」のタイプと診断された。

診断後はコーデ提案も

 ポップアップでは個人が最も“心地よい”と感じたテクスチャーの商品に票を投じてもらうシステムに。投票用紙代わりのビー玉を、ガラスの容器に入れるという仕様だ。「肌の乾燥度合いや皮脂の多さによって、それぞれ好むテクスチャーが違う」(同社)ようで、実際に会場でも票のばらつきがみられた。

 桃谷順天館の研究本部中央研究所副所長の野上紀子氏は、「シェフドボーテは、“いつまでも続く美しさのつくり方。”を日常に重ねていくブランド。美しさを作っていくには、自分の五感をもっと信じることが大切という思いから、好きなテクスチャーを選んでもらう仕様にした」とブランドに込めた思いを語った。

 記者も最初は「どのテクスチャーが好みでしたか」と聞かれて、応えるのが若干恥ずかしかったが、どの容器にもビー玉がたくさん入れられている様子を見て、「こんなにも人の好みはバラバラなんだ」という気持ちになり、本当に気に入ったものに票を投じることができた。

 新商品は6月30日から自社通販サイトで先行発売、7月2日から一般発売を開始した。ポップアップでは実際に商品のテクスチャーを試せるが、ECではそういかないのが悩みどころ。同社は消費者の不安を解消するため、化粧水5種とクリーム4種をそれぞれ試すことができる体験キット(各種税込1650円)をECで販売することにした。顧客は商品の使用感を確かめたのち、一番気に入ったテクスチャーのものを購入することができる。

 ポップアップの帰りに、お土産として好みの化粧水とクリーム各1種、それから体験キットをもらった。こうした好みは、肌のコンディションや季節にも左右されるはず。そうした時にこの体験キットを開封して、新たな“お気に入り”を見つけられるのかと思うと楽しみだ。何より自分で選んだ満足感は、確実にスキンケア体験を豊かなものにしてくれる。

選んだ商品に満足する度:★★★★★

 

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