〝楽しむ人〟急増でマーケット規模も急拡大【ハロウィン関連商品のネット販売の現状】

8月下旬にオープンしたアマゾンの「ハロウィンストア」

日本ではかつては知る人ぞ知るニッチなイベントであったが、近年では大きな盛り上がりを見せている「ハロウィン」。ハロウィンと言えば、お化けなどに仮装して近くの家々を訪れて菓子をもらったりする子供のための行事として知られているが、日本の場合は、子供はもちろん、大人も仮装するなどして楽しむ傾向が見られ、年々、各地で関連のイベントやパーティの開催が増えており、仮装に必要なコスチュームや小道具などの関連商品の需要も増加しているよう。

また、ハロウィンの定着で、マントや帽子などを着用して、手軽に仮装を楽しむ人のほか、凝った衣装や「血のり」などメイクを施すなど本気で楽しむ本格派、家族や友人と自宅でゆったりと楽しむ層などハロウィンの楽しみ方も多様化しており、それにより求める関連商品も様々なようだ。ネット販売実施各社では「ハロウィン」を商機捉えて、特集ページの開設や関連イベントなどでニーズの獲得を図っているようだ。注目すべきネット販売実施各社のハロウィン関連商品の拡販戦略について見ていく。

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専門ページ設置、イベントでアピール強化も ─アマゾンジャパン

ネット販売最大手のアマゾンジャパンでは8月28日から、ハロウィンで使用するコスチュームやパーティーグッズなどを集めた専門ページ「ハロウィンストア」を運営する通販サイト内に設置した。特徴はハロウィンで必要となるあらゆる商品を網羅していること。ハロウィンの仮装用コスチュームは「スター・ウォーズ」や「シンデレラ」など今年話題のキャラクターに加え、「今年は悪役に変身」をテーマに魔女やドラキュラ、ゾンビなど12万点を掲載。中でも人気の子供向けのものは前年比で約5000点増の1万6000点まで増やした。また、今回からコスチュームサイズでの商品検索機能を導入し、検索利便性を高めた。さらに仮装衣装に合わせた手作りのアクセサリーや小道具の作成に必要なコスチュームのデコレーション用品やハンドメイド材料、リースやオーナメント、刺しゅう、パッチワークなどのハロウィン用手芸キットやハロウィンでのホームパーティ用の食材や菓子、インテリア、雑貨、音楽、書籍なども販売。犬用のコスチュームやペット用おやつなども販売している。

「アマゾンハロウィンカフェ」では人気コスチュームの試着やプロによるメイクレッスンなども受けられる

アマゾンでは一昨年くらいからハロウィンのお化けやモンスターのコスチュームの売れ行きが伸びてきたという。そして昨年のハロウィンシーズンではコスチュームを含む関連商品の売上高が前の年の1.5倍と急拡大した。「簡単な衣装を身に着けて楽しむ『プチハロウィン』の人もどんどん増えているが、仮装についても非常に凝った衣装や小物を購入したり、中にはよりクオリティにこだわって手作りする人などもいる。さらに当サイトでも売れ筋となっているが『血のり』や『キズのシール』などメイクもしっかり行うなど、時間やお金を使って本気で楽しむ『ガチハロウィン』の人も増えている。また、家族や友達と自宅などを飾りつけて、ゆるく楽しむ『ゆるハロウィン』の人も増えてきた」(白子雅也おもちゃ&ホビー事業部長)として、確実に盛り上がりを見せるハロウィン需要の取り込みをさらに図るため、専門ページ「ハロウィンストア」の設置を昨年は9月半ばだったのに対して、関連商品の売り切れを懸念して、シーズン前から購入したいと考える層に対応して、今年は8月末に早めたり、多様化するニーズをカバーすべく、様々な品ぞろえを増やしたり、それに伴い商品を探しやすいように検索面などで様々な工夫を施したという。

今シーズンの出足も同社によれば、売れ行きは上々のようだ。「今年の売れ筋はコスチュームでは女性では『白雪姫』や『アナと雪の女王』などの“お姫様のドレス”が人気。男性はアニメや映画のヒーローのものが売れている。『キズのシール』や『血のり』なども人気。コスチュームやメイク用品以外にもパーティのための部屋の飾り付けのための装飾品や、そうした装飾品を手作りするための『紙粘土』なども売れている。8月28日(の「ハロウィンストア」のオープン)から、関連商品の売り上げが一段と加速した。お客様の数の増え方は去年にもまして凄いものがある」(白子部長)としており、今年のハロウィン関連商品の売上高も前年比1.5倍の売り上げも見込んでいるという。

アマゾンではハロウィン関連商品の需要を取り込むため、専門ページの存在を告知するイベントなども今年から本格化している。10月2日から3日間限定で東京・原宿にハロウィンのコスチュームの試着やヘアメイクのアドバイスなど本格的な仮装が体験できるカフェ「アマゾンハロウィンカフェ」を開設したのもその一環だ。

普段は一般的なカフェ「東京アパートメントカフェ」の一部を期間中は借り切って、アマゾンが運営する通販サイト内で販売する12万点の中からスタイリストが厳選したおすすめコスチューム、約30着を用意して、来店客が試着体験ができるようにしたほか、ハロウィンの仮装のためのメイクを学ぶことができるヘアメイクアップアーティストを講師とした「ワンポイントのヘアメイク体験」、高まりを見せつつあるというハロウィン関連の小物作りを学べる杉野服飾大学の学生が指導する「小物・アクセサリー制作、デコレーションなどのハンドメイド体験」などを行った。店内で体験した仮装スタイルをハロウィン当日に再現できるよう自身のスマートフォンなどで撮影できる撮影スポットも用意したほか、アマゾンで使用できるクーポン券の配布などを行い、「ハロウィンストア」での商品購入を促す試みも行った。

「アマゾンハロウィンカフェ」のほか、東京・秋葉原のサバイバルゲーム施設「ASOBIBA秋葉原フィールド」で10月24~30日まで、仮装しながらゴム銃を使ってサバイバルゲームを楽しめるイベント「次世代型ゴム銃でハロウィンサバゲー」をタカラトミーなどと共同で開催した。アマゾンでは販売するコスチュームをプレイヤーに無料で貸し出すなどの試みを行った。これらの企画で「ハロウィンストア」の認知度を高めたい狙いのようだ。

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